臨床室
膝内側副半月板の1例
徳永 綾乃
1
,
下条 竜一
,
伊藤 芳章
,
平野 典和
1労働者健康安全機構富山労災病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
関節鏡法
,
MRI
,
膝関節
,
鑑別診断
,
脛側半月
,
二層半月板
,
関節ロッキング
,
半月損傷
Keyword:
Tibial Meniscus Injuries
,
Arthroscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Menisci, Tibial
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Knee Joint
,
Range of Motion, Articular
pp.1193-1196
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2018005484
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症例は15歳男子で、あぐら動作時に左膝痛が出現し、左膝伸展制限が持続し、発症後1週時に受診した。左膝可動域(ROM)は伸展-25°、屈曲135°と伸展制限があり、内側関節裂隙に圧痛があった。内・外反、前後方向とも不安定性はなく、McMurrayテスト陰性であった。1週後の再診で、左膝関節ROMは伸展-10°、屈曲140°と改善したが、完全伸展はできなかった。単純X線で正面・側面像ともに異常所見はなかった。MRIは前額断像ではT1、T2強調画像ともに顆間部に低信号の構造物があり、矢状断像は二重後十字靱帯サインがあった。内側半月板のバケツ柄断裂に伴う左膝伸展制限と診断し治療のため関節鏡を行った。病理組織所見は膠原線維束を主体とした線維軟骨からなり、半月板組織に矛盾はなく変性所見はなかった。術翌日、膝関節は完全伸展ができるようになった。現在は左膝に愁訴なくスポーツに復帰している。
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