発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002129099
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8歳女児.生後10ヵ月に右尺骨骨幹部の骨折を契機に骨形成不全症と診断された.学校で椅子から滑落した際に右肘に受傷したものと考えられ,近医にて右肘頭骨折との診断を受けて紹介された.骨片を伴わないSalter-Harris分類I型の骨端線損傷が認め,1週間のギブス固定により骨片の転位の進行を認めたために観血的鋼線固定を行った.術後4週でギブス固定を除去し,術後3ヵ月で鋼線抜去を行い,術後4ヵ月で可動域制限を認めなかった.骨形成不全症による形態的,組織学的な変化に基づく力学的強度の低下が肘頭では通常は発生しない骨端線損傷の誘因となったものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002