発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002083306
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51歳女性.人工股関節置換術後の脱臼に対して観血的整復を行った後,ポリエチレンライナーの一部が破損した症例を経験した.患者は右股関節痛を主訴とし,単純X線像により股関節の後方脱臼が認められた.カップやステムに弛みはみられなかったが,ポリエチレンライナーをよく観察すると脱臼時に破損したと思われる溝ができており,そのため,ポリエチレンライナーと骨頭の再置換術を行い,歩行可能となった.以上の経過からも,本症例は今後,脱臼に伴って生じた溝が再脱臼の原因になるとは言い切れないが,大きな溝ができると十分に反復性脱臼を起こし得ると思われ,何らかの対策が必要であると考えられた
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