特集 人工股関節置換法 アプローチと最新の機器のトレンド
ビタミンE浸透/添加ポリエチレンカップの特徴
大橋 弘嗣
1
1大阪府済生会中津病院 整形外科
キーワード:
Vitamin E
,
治療成績
,
人工股関節
,
Polyethylene
,
医学史(1601-現在)
,
股関節置換術
,
摩耗
Keyword:
Hip Prosthesis
,
Vitamin E
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Polyethylene
,
History, Modern 1601-
pp.1162-1167
発行日 2017年11月19日
Published Date 2017/11/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018042399
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ポリエチレンカップの歴史(図1)
1 Conventional polyethylene ( conventional PE) 人工股関節全置換術(total hip arthroplasty; THA)におけるポリエチレンカップの使用は, 1962年のCharnley1)から始まる。そもそも Charnleyは低摩擦トルクがTHA成功の鍵と考え て試行錯誤を行った結果,ポリエチレンカップと 22mm骨頭の摺動部をもつ人工股関節が最もよい 組み合わせであるという結論に至った。このポリ エチレンカップを使用したCharnley人工股関節は 成功を収め,1970年代から世界中に広まり,人工 股関節といえばポリエチレンカップと金属骨頭の 組み合わせというのが一般的になった。 しかし,長期経過観察を行っていくと,人工股 関節周囲に骨溶解像が認められるようになった。 当初はこの原因は不明であり,その原因の1つと して骨セメントが問題ではないかと1987年に “cement disease”という考えが提唱されたことも あった2)。しかし,その後の研究でポリエチレン 摩耗粉が原因であることが解明された3)。
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