発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002060126
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人工股関節全置換術(THA)後の早期に亜脱臼を来たした2例(2週後及び7週後)と後期の脱臼2例(2年後及び8年後)に対して,治療目的に装具を使用した.早期の2例には各々4ヵ月,6ヵ月間使用し,THA後28ヵ月,27ヵ月経過して再発はない.後期脱臼例のうち,1例は4ヵ月で装用を中止したが,9ヵ月目に再脱臼し,その後装用中には脱臼しないが外すと脱臼することを繰り返し,14ヵ月目に肺炎で死亡した.他の1例は4ヵ月で装用を中止したところ,11ヵ月目に転倒して再脱臼し,14ヵ月目にバイポーラー型人工骨頭による再置換術を施行した.又,THA42例42関節に予防的に術後2~4ヵ月まで股関節装具を使用する試みを行った.術後3ヵ月以上の経過で脱臼の症例はない.装用感については,重い,圧迫感がある,着脱が面倒等の苦言があった一方で,脱臼の恐怖が和らぐ,歩行時の安定感が高まる等の声も聞かれた
©Nankodo Co., Ltd., 2001