発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002056998
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30歳以上の骨肉腫14例(男10例,女4例,平均45歳;A群)と30歳未満の骨肉腫37例(男26例,女11例,平均14歳;B群)を比較した.B群は膝周囲の発生が多かったが,A群では骨盤4例,大腿骨近位部,遠位部,腓骨,肋骨各2例など多彩であった.発症から初回治療開始まではB群が平均3.5ヵ月,A群が13ヵ月と有意差を認め,A群で初診時から診断できたのは1例のみであった.組織型ではB群は骨芽細胞型が多かったが,A群は骨芽細胞型7例,軟骨芽細胞型1例,線維芽細胞型4例で,線維芽細胞型のうち3例は腫瘍性類骨の形成が少なく,悪性線維性組織球腫に類似していた.単純X線像はB群では造骨優位所見が多かったが,A群では溶骨優位10例,造骨優位4例であった.外科的切除はA群の11例に広範切除を行い,不十分な切除が3例であったが,B群では広範切除35例中不十分切除は2例のみであった.予後はB群が5年,10年生存率がいずれも58%であったが,A群は42%,21%であった
©Nankodo Co., Ltd., 2001