発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002040000
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2歳3ヵ月男児.出生時に両足趾の多合趾を指摘され,生後2日に紹介来診して両側軸前性多趾症と診断され,その後外来にて経過観察し,今回手術目的で入院となった.入院時,全身状態は良好で,両側母趾に多合趾症を,両側腓骨側母趾(第2母趾)と第2趾,左第2,3趾間に合趾症が認められ,両側脛骨側母趾(第1母趾)は軽度内反して,第2母趾は低形成であったが,両足趾とも運動制限はなかった.単純X線像では第2母趾の中足骨は第1母趾に比して低形成であったが,第1・第2母趾とも分離独立した中足骨を有し,合趾部は骨性ではなく皮膚性であった.以上の所見から第2母趾を余剰趾と考え,両側第2母趾切除術および皮膚形成術を施行した.術後14ヵ月経過の現在,歩行障害はなく母趾の底背屈運動は良好であるが,両足とも母趾と第2趾の内反傾向がある.X線像上では骨の成長障害はないが,両足とも母趾の中足趾節関節部の内反傾向が認められた
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