発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002030818
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52歳男.幼少児期に結核に罹患し以後脊椎カリエスとなり,高度後彎残存による慢性呼吸不全があり常時酸素吸入を要していたが,約2年前から両下肢の痺れ,更に歩行困難が出現して近医に入院し経過観察したが改善しないため紹介入院となった.単純・断層X線所見で胸腰椎移行部を中心とした高度後彎を認め,CT所見では後彎頂椎部を中心とした骨破壊が高度で前方より脊髄を圧迫しており,3D血管造影では大動脈の高度蛇行が確認された.手術では術中・術後の呼吸管理の危険性を避ける為,後方より進入し前方除圧と後方よりインストゥルメントを用いた一期的脊椎矯正固定術を施行した.手術時間は12時間55分,出血量1570mlであった.術後,後彎は術前の130°から100°に改善し,後彎頂椎部は除圧されていた.術後3ヵ月間ベット上安静後,装具装着で立位を開始し,術後7ヵ月には2本ロフストランド杖使用で病棟内歩行が安定したため近医にリハビリテーション転院となった
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