発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002125315
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49歳女.発熱で近医を受診した.胸部X線像上で胸水貯留を認めため肺結核を強く疑い,抗結核療法を開始した.両下肢麻痺が出現し,歩行不能となり緊急入院となった.傍脊椎の膿瘍形成を疑い,rectangle rodとsublaminar wiring固定による後方除圧固定術を行った.抗結核療法を継続したが,下肢麻痺の改善がみられないため,術後約6ヵ月の時点で入院した.ツベルクリン反応は強陽性であった.神経学的所見では,Th4髄節レベル以下に知覚低下としびれ感がみられ,両下肢筋力は徒手筋力テストで0~1で,アキレス腱反射,膝蓋健反射共に消失していた.CTでは,Th2-Th3に椎体の破壊像がみられ,MRIでは硬膜管の高度な圧腓像がみられた.再手術として前方除圧固定術を施行した.術後MRIで,胸髄の除圧は良好であった.術後2ヵ月で両下肢麻痺が改善し,術後6ヵ月の現在,歩行可能である
©Nankodo Co., Ltd., 2002