発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001273465
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手術治療を行った高齢者大腿骨近位部骨折310例の退院後医療の現状を,三つの時期に分けて検討した.1985~1989年迄の52例(A群),1990~1994年の125例(B群),1995~1998年の133例(C群)で比較した.その結果,平均A群79歳,B群81歳,C群82歳であり,A群とC群の間に有意差を認めた.歩行能再獲得率はA群77%,B群68%,C群65%で,徐々に低下する傾向にあった.退院後の医療については,A群では自宅退院が多いのに比し,B,C群では施設,病院への転院が増加した.退院後経過をみると,自宅生活が継続可能であったのは,A群42例中25例,B群76例中38例,C群75例中45例であった.以上より,年代を経るにつれ,退院後も施設,病院で医療を継続している例が増えており,患者の高齢化,一人暮らし例の増加,歩行能再獲得率の低下がこの背景として示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2001