発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001155365
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症例は生後22日男児で右手関節腫脹を主訴とした.分娩時仮死指標Apgarスコアは生後1分で8点,3分で9点であった.出生時,母体の発熱と羊水混濁,児血でのアシドーシスが認められ子宮内感染症,胎便吸引症候群の存在が疑われた.症状に対し抗生物質の点滴静注,メイロンの静注投与が行われ症状は徐々に改善した.血中カルシウム濃度が低下し,更に低下したたため出生時仮死に合併した低カルシウム血症と診断し,乳酸カルシウム内服投与を10日間行った.母親が右手関節背側部の腫瘤に気付き受診し弾性硬の腫瘤を認めた.単純X線とCTで右手関節背側部に直径約2cmの無構造な石灰化が認められた.画像所見およびグルコン酸カルシウム静脈内投与3週で腫瘤が確認された経過より薬剤による皮下石灰沈着症として経過観察された
©Nankodo Co., Ltd., 2001