Japanese
English
症例報告
グルコン酸カルシウムによる医原性石灰沈着症の1例
A case of calcinosis cuitis induced by intravenous injection of calcium gluconate
馬場 ひろみ
1
,
濱谷 詩織
1
,
尾上 智彦
1
,
堀 和彦
1
,
長井 泰樹
1
,
幸田 公人
1
,
中川 秀己
1
Hiromi BABA
1
,
Shiori HAMATANI
1
,
Tomohiko ONOE
1
,
Kazuhiko HORI
1
,
Yasuki NAGAI
1
,
Hiroto KODA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
医原性
,
皮膚石灰沈着
,
グルコン酸カルシウム
,
血管内投与
Keyword:
医原性
,
皮膚石灰沈着
,
グルコン酸カルシウム
,
血管内投与
pp.891-893
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102133
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 生後1か月,男児.左副腎原発神経芽細胞腫の手術目的で当院小児外科に入院した.入院時,低カルシウム血症を認めたため,8日間グルコン酸カルシウム点滴静注施行後,補液を継続していたところ,左前腕の留置針刺入部に発赤および腫脹を認めたため,点滴剤漏出を疑い,留置針を抜去した.湿布薬貼布により発赤は徐々に軽減したが,皮下硬結が残存した.単純X線写真で左手関節手背側の軟部組織内に石灰化を有する境界不明瞭な腫瘤を認め,病理組織像では真皮中層から皮下脂肪織にかけて好塩基性でvon Kossa染色陽性の無構造物質および異物巨細胞を混じる炎症性細胞浸潤を認め,皮膚石灰沈着症と診断した.皮下硬結は徐々に縮小し,約2か月で自然消退した.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.