発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001149876
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9歳男児.4日前に右足関節捻挫と診断されたが,その3日後に高熱と右足関節外側に発赤・腫脹・熱感・疼痛が出現し,白血球数,赤沈値,CRP値の上昇を認めた.X線像では骨膜反応を認めなかった.咽頭部や血液中から起炎菌は検出できなかったが,蜂巣炎の診断で入院となった.フルマリン投与と局所の安静により炎症や疼痛,血液炎症反応は著明に改善した.入院後5日目に病巣部より黄色ブドウ球菌を検出した.7日目のMRI所見は,炎症が腓骨の骨幹部周囲にまで及んでいたものの骨髄への波及はなかった.10日目には病巣部が自壊し,足関節外果部に瘻孔が形成され,腫脹と疼痛は消退した.18日目のMRIは腓骨の遠位骨端線から骨幹端骨髄への波及を示した.瘻孔が閉鎖しないため,21日目に手術した.皮下には不良肉芽組織と,腓骨遠位骨端線より骨髄にまで浸潤した膿を認めた.病理組織学的には急性化膿性骨髄炎の所見であった.経過は良好で,術後6ヵ月現在,再発はない
©Nankodo Co., Ltd., 2001