発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001148235
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74歳男.20歳ごろ肋膜炎と診断されたが未治療であった.約7ヵ月前に左足関節の腫脹や疼痛が出現し,慢性関節リウマチと診断された.抗リウマチ薬と非ステロイド系消炎鎮痛薬を開始したが症状は改善しなかった.白血球数・赤沈値・CRPの上昇,ツベルクリン反応強陽性,リウマチ因子陰性を認めた.MRIではアキレス腱前方にT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号の領域を認め,ガドリニウム造影後のT1強調画像では関節包の肥厚を認めた.関節穿刺液の結核菌検査はPCR法で陽性であった.塗抹検査ではGaffky 3号を検出した.足関節結核と診断し,抗結核療法後,左足関節の掻爬および関節固定術を行った.病理組織像ではLanghans巨細胞を伴う乾酪壊死を確認した.手術創の治癒や骨癒合は遷延化し,排膿からは再び結核菌を検出した.術11週後に下腿切断術を行った.左足関節は高度に破壊され,膿の貯留はけい骨骨幹部と距骨・踵骨髄腔内にまで及んでいた
©Nankodo Co., Ltd., 2001