臨床経験
Portal annular pancreasの膵奇形を伴った膵切除症例の検討
相澤 栄俊
1
,
高橋 進一郎
,
杉本 元一
,
後藤田 直人
,
小西 大
1国立がん研究センター東病院 肝胆膵外科
キーワード:
術後合併症
,
術前診断
,
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
膵瘻
,
胆管癌
,
胆管腫瘍
,
腹腔動脈
,
門脈
,
肝外胆管
,
後向き研究
,
治療成績
,
腹部CT
,
輪状膵
Keyword:
Bile Duct Neoplasms
,
Celiac Artery
,
Pancreatectomy
,
Pancreatic Fistula
,
Pancreatic Neoplasms
,
Portal Vein
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Bile Ducts, Extrahepatic
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Cholangiocarcinoma
pp.369-373
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017233260
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2010年1月~2015年10月に当科で経験したPortal annular pancreas(PAP)の膵奇形を伴った膵切除症例10例について検討した。Josephらの分類では、いずれも主膵管が門脈の前方を走行するType IIIの所見であった。このうち膵体部の癒合部より膵尾部側で切離し断端が1面となったものは2例、癒合部の膵頭部側で切離し断端が2面となったものは8例であった。術後合併症として膵瘻は5例に認め、ISGPF分類でgrade Aが1例、Bが3例、Cが1例であった。grade Cを生じた1例は、術前化学放射線療法後に門脈合併切除・肝動脈再建を伴う腹腔動脈幹合併尾側膵切除術を施行した症例であった。膵瘻を生じた症例は、癒合部の膵頭部側で切離し断端が2面となった症例のみであった。術前にPAPを指摘し得たものは1例のみで、9例は術中に診断したが、術前のCT検査を再確認するといずれも指摘可能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017