発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017135897
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
86歳男。右季肋部痛を主訴とした。高血圧、糖尿病の基礎疾患があり、夕方より倦怠感が出現し、翌朝に嘔気、呼吸困難、胸背部痛を自覚したため救急搬送された。心筋梗塞が疑われたが、心エコー所見より心疾患は否定的であり、腹部CT所見では胆石、胆管内および胆嚢壁のガス像を認めた。腹部MRCP所見では総胆管内に陰影欠損を認めたが、胆管の拡張はなく、胆管ガスを伴った急性気腫性胆嚢炎と診断した。全身状態は良好であり、耐術と判断して緊急で腹腔鏡下胆嚢摘出術を行い、腹腔鏡手術を完遂できた。病理学的所見では胆嚢粘膜に異型性はなく、壊死性胆嚢炎と診断し、術後3日で退院可能となった。本例では胆管内気腫の原因として胆管ガスによる胆汁うっ滞が考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017