発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017128016
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78歳女性。下腹部痛にて近医を受診、S状結腸憩室炎の再燃を疑い紹介となった。腹部造影CTではS状結腸に多数の憩室を認め、S状結腸間膜内にはエアを含む腫瘤像が認められた。S状結腸間膜膿瘍の診断で入院後、絶食と抗生剤(FMOX)の投与を行い、中心静脈カテーテル(CVC)を挿入した。しかし、下腹部痛が持続するため入院10日目に腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した。術後、CVCを抜去し、CTRX投与を開始したが、9日目に恥骨部痛と頻尿が出現した。CTで見直したところ、膀胱前方の脂肪織濃度の上昇が認められ、尿培養が菌陰性であったことから膀胱周囲炎と診断された。CVC先端培養ではCNS epidermidisが検出され、メチシリン耐性株と判定された。15日目に膿瘍ドレナージ術を施行した結果、徐々に股関節痛と恥骨痛は消失し、再手術後40日目に軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016