Stage IV胃癌に対する外科治療戦略 切除不能胃癌に対する外科治療
出血・狭窄のないStage IV胃癌に対する減量手術
藤谷 和正
1
,
水澤 純基
,
寺島 雅典
,
岩崎 善毅
,
高金 明典
,
吉川 貴己
,
中村 健一
,
黒川 幸典
,
福田 治彦
,
笹子 三津留
,
辻仲 利政
1大阪府立病院機構大阪府立急性期総合医療センター 消化器外科
キーワード:
Cisplatin
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
腫瘍進行度
,
臨床試験
,
アジュバント化学療法
,
TS-1
,
細胞減量手術
Keyword:
Cisplatin
,
Clinical Trials as Topic
,
Gastrectomy
,
Neoplasm Staging
,
Stomach Neoplasms
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Cytoreduction Surgical Procedures
pp.385-390
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016193405
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切除不能胃癌に対する外科治療には,腫瘍量を減らすことで予後の延長をめざす減量手術と症状の改善を主目的とした緩和手術がある.減量胃切除術の意義が日韓共同の前向き臨床試験(REGATTA試験)により明らかにされた.主要評価項目である全生存期間では,化学療法単独に対する減量胃切除術後に化学療法を行う治療の優越性を示すことはできなかった.減量胃切除に伴う合併症はgrade 2以下のものがほとんどで,手術は安全に施行された.化学療法の毒性は,grade 3以上の好中球減少・低Na血症・食思不振・悪心が減量胃切除群で多かった.この試験の結果から非治癒因子をもつ切除不能Stage IV胃癌に対し減量胃切除術を行うことは否定され,標準治療は化学療法単独であることが確立された.
©Nankodo Co., Ltd., 2016