Stage IV胃癌に対する外科治療戦略 切除不能胃癌に対する外科治療
幽門狭窄胃癌に対するバイパス術
熊谷 厚志
1
,
井田 智
,
布部 創也
,
大橋 学
,
比企 直樹
,
佐野 武
,
山口 俊晴
1がん研究会有明病院 消化器外科
キーワード:
胃腫瘍
,
腹腔鏡法
,
幽門狭窄症
,
胃空腸吻合術
Keyword:
Gastroenterostomy
,
Laparoscopy
,
Pyloric Stenosis
,
Stomach Neoplasms
pp.376-380
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016193403
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幽門狭窄部の近位に単純に空腸を吻合する従来の胃空腸バイパス術(conventional gastrojejunostomy:CGJ)では,術後の胃内容停滞により十分な経口摂取が得られないことがある.Partial stomach partitioning gastrojejunostomy(PSPGJ)は,胃小彎に2~3cmほどの径の孔を残して狭窄部と健常部の間で胃を大彎側から不完全離断を行うことにより,狭窄部への食物の流れを防ぐと同時に完全離断した場合に生じうるblow-outをも防ぐというもので,CGJに比べ術後の胃内容停滞が少ないことが報告されている.巨大腫瘍により胃の可動性が制限されることが多い悪性幽門狭窄において,腹腔鏡下にPSPGJを行うのは簡単ではないが,相応の鏡視下手術の技術,経験と,PSPGJ特有のピットフォールを心得れば安全かつ有用な方法である.
©Nankodo Co., Ltd., 2016