症例
癌性腹膜炎との鑑別に苦慮した結核性腹膜炎の1例
大友 真姫
1
,
新家 崇義
,
宇山 直人
,
音見 暢一
,
白河 綾
,
坂東 良美
,
苛原 稔
,
原田 雅史
1徳島大学病院 放射線診断科
キーワード:
胸部X線診断
,
結核-腹膜
,
MRI
,
鑑別診断
,
肥大
,
腹水症
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
癌性腹膜炎
,
Ziehl-Neelsen染色
,
胸部CT
,
腹部CT
,
PET-CT検査
Keyword:
Positron Emission Tomography Computed Tomography
,
Ascites
,
Diagnosis, Differential
,
Hypertrophy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Peritonitis, Tuberculous
,
Radiography, Thoracic
,
Fluorodeoxyglucose F18
pp.435-440
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017202873
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70歳代女。微熱、腹満感を主訴とした。CA125上昇にて精査するも腹水および子宮留水腫の指摘のみで原発巣の特定は困難であった。紹介受診時の血液検査所見では炎症反応が軽度高値、CA125、SLX抗原、BFP、sIL-2Rがいずれも高値を示し、喀痰培養にてM.intracellulareが検出された。腹水所見はADA、ヒアルロン酸が高値で、結核PCRは陰性であり、CT、MRIでは腹水貯留、腹膜の限局性肥厚、傍大動脈領域のリンパ節腫大がみられ、18F-FDG PET/CTでは肥厚した腹膜と腹水の一部にFDGの集積を認めた。画像上、癌性腹膜炎を除外できなかったが、腹膜生検の病理組織診でZiehl-Neelsen染色陽性菌体検出、T-spot陽性、結核菌培養陽性より結核性腹膜炎と確定診断した。
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