進行大腸癌に対する内視鏡外科手術の限界
局所進行脾彎曲部近傍結腸癌に対する内視鏡外科手術
田島 正晃
1
,
白下 英史
,
石川 浩一
,
猪股 雅史
1大分大学医学部附属地域医療学センター 外科
キーワード:
結腸腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
術前診断
,
腹腔鏡法
,
CT血管造影
,
横行結腸
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Colonic Neoplasms
,
Laparoscopy
,
Neoplasm Invasiveness
,
Colon, Transverse
pp.244-247
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016126583
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脾彎曲部近傍の結腸癌の手術は,胃結腸間膜や横行結腸間膜の構造・周囲臓器との癒着や剥離,血管の分岐形態の多様性のため,難易度が高い.局所進行癌の場合は,さらに高度のリンパ節転移や癌細胞の漿膜面露出,あるいはbulky腫瘍のため,視野展開や腫瘍のとり回しが困難となり,さらに難易度が上がる.したがって腹腔鏡手術を行う際には,(1)術前3D-CTAによる支配動脈の同定,(2)浸潤部位に向けて多方面の非浸潤部からの剥離操作,(3)拡大視野による正しい剥離層への到達,癌の浸潤範囲の正確な認識などの工夫が必要である.これらの工夫を行い,技術的,腫瘍学的に安全な腹腔鏡手術を実践し,内視鏡外科手術の低侵襲性を最大限に生かすことが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2016