発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015390507
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48歳女。15年前に子宮体癌手術の既往がある。今回、発熱、右季肋部痛を主訴に、当院内科にて肝膿瘍または横隔膜下膿瘍の診断で入院となった。入院時、腹部超音波では横隔膜下に辺縁不明瞭で、内部不均一な高エコーの腫瘤を認めた。造影CTでは横隔膜下に早期相より辺縁から濃染し、遷延性に内部が不均一に造影される5.5×3.2cmの腫瘤影を認めた。MRIで同腫瘤はT1強調像にて低吸収域、T2強調像にて高吸収域、拡散強調像にて拡散低下を呈した。抗生物質治療にて炎症反応や右季肋部痛は改善したが、悪性疾患の可能性も考慮し、入院53日目に外科紹介となり、開腹下に横隔膜切除と腫瘍の癒着がみられた右肺下葉を合併部分切除した。病理組織学的に15年前と同様の所見であり、子宮体癌の横隔膜転移と診断した。術後8ヵ月の現在、再発はみられない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015