発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015339734
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41歳女。腹痛を主訴とした。腹部膨満感、発熱、嘔気、右下腹部に限局した反跳痛を伴う圧痛を認め、諸検査より急性虫垂炎と判断して保存的治療を行ったが、腹部症状、所見とも改善なく、第5病日に腹腔鏡下虫垂切除術を行った。術中所見は通常の急性虫垂炎とは異なり、虫垂の先端に白色調の硬結や透明で粘稠な腹水を認め、腫瘍性の腫大を思わせた。病理組織学的所見は長期にわたる炎症性変化を示唆するもので、虫垂漿膜側に腺構造と周囲を取り巻く間葉系細胞を認め、免疫染色にてエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体陽性、CD10陽性より、虫垂子宮内膜症と診断した。後日、術中のビデオを再検討し、婦人科医に診断を依頼したところ、子宮内膜症所見と判断された。
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