痔核・痔瘻・裂肛ガイドラインを解説する 痔瘻
肛門周囲膿瘍に対する検査法および切開排膿法
瀧上 隆夫
1
,
嶋村 廣視
,
根津 真司
,
鈴木 健夫
,
木下 真一郎
,
竹馬 彰
,
竹馬 浩
1チクバ外科胃腸科肛門科病院
キーワード:
ドレナージ
,
姿勢
,
麻酔
,
直腸肛門周囲膿瘍
,
骨盤膿瘍
,
坐骨直腸窩
Keyword:
Anesthesia
,
Drainage
,
Posture
pp.658-665
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015271538
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肛門周囲膿瘍は一般外科外来でも遭遇する頻度の高い疾患であり,その大部分は痔瘻の初期病変である.肛門周囲膿瘍と診断がつけば,基礎疾患の有無,抗血栓薬服用などの有無にかかわらず,すみやかに切開排膿するのが原則である.また,最近の諸家の報告では,肛門周囲膿瘍切開排膿後の痔瘻への移行率は50%以下であり,以前のように肛門周囲膿瘍の時点での一期的または二期的根治手術は,肛門括約筋の損傷による肛門機能低下のリスクからも避けるべきである.切開排膿においては,根治性を求めた,また将来痔瘻化した場合の根治手術を念頭においた,効果的かつすみやかな切開排膿ドレナージを行うことが大切であると考える.
©Nankodo Co., Ltd., 2015