痔核・痔瘻・裂肛ガイドラインを解説する 裂肛
裂肛の外科的治療
辻 順行
1
,
高野 正太
,
中村 寧
,
深見 賢作
,
久野 三朗
,
山田 一隆
,
高野 正博
1高野会大腸肛門病センター高野病院
キーワード:
Botulinum Toxins
,
Calcium Channel Blockers
,
裂肛
,
一酸化窒素供与剤
,
括約筋切開術
Keyword:
Calcium Channel Blockers
,
Botulinum Toxins
,
Fissure in Ano
,
Nitric Oxide Donors
pp.680-688
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015271542
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裂肛例には保存治療,抵抗する症例には内括約筋切開が主に行われていたが,近年の欧米では,不可逆性の便失禁の可能性がある外科的治療法が保留され,保存的治療や内科的治療法が選択されてきている.具体的には,nitroglycerinが使用されていたが,副作用(頑固な頭痛)とコンプライアンス不良のために,botulinum toxinが頻用されている.ただし,本邦ではbotulinum toxinの輸入が不許可で,高価であるため外科的治療法が主流である.現在,外科的治療法には,内括約筋切開,用手的肛門拡張,皮膚弁移動術がある.皮膚弁移動術は,高齢者・糖尿病合併・経産婦・内括約筋切開後の再発例など術後に便失禁をきたす可能性がある患者に推奨されており,ほかの裂肛例に対しても有効とする報告もある.ただし,この手術法は前\xE5!\x90\x91き無作為試験がみられず,長期経過観察による検討を要する.
©Nankodo Co., Ltd., 2015