臨床経験
乳房Paget病の検討
山口 貴久
1
,
前田 基一
,
寺田 逸郎
,
山本 精一
,
加治 正英
,
清水 康一
1富山県立中央病院 外科
キーワード:
Paget病-乳房
,
湿疹
,
腫瘍侵入性
,
石灰沈着症
,
乳房腫瘍
,
マンモグラフィー
,
部分的乳房切除
,
非定型的乳房切除
,
センチネルリンパ節生検
,
表皮向性癌
,
びらん
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Calcinosis
,
Eczema
,
Mammography
,
Neoplasm Invasiveness
,
Paget's Disease, Mammary
,
Mastectomy, Modified Radical
,
Mastectomy, Segmental
,
Sentinel Lymph Node Biopsy
pp.318-321
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015199772
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当科で過去12年6ヵ月間に経験した乳房Paget病15例について検討した。その結果、病理学的にはPaget型が12例、Pagetoid型が3例であった。平均年齢はPaget型の65.6歳に対し、Pagetoid型は50.7歳と若年であった。免疫組織学的検討では、全体の93%がER(-)、PgR(-)、HER2(+)であった。治療に関しては、Paget型では50%で乳頭乳輪を含めた乳房部分切除術を施行し、残る50%は胸筋温存乳房切除術(Bt)を施行した。Pagetoid型では100%でBtを施行した。Paget型では8例にセンチネルリンパ節生検または腋窩郭清を施行し、いずれも転移はなかった。Pagetoid型では全例に腋窩郭清を行い、いずれも転移はなかった。再発はPaget型で温存乳房内再発1例、同側腋窩リンパ節再発1例、Pagetoid型で胸壁再発1例を認めたが、全例で現在も生存していることが判明した。
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