発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015062454
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88歳男性。ふらつき、頭痛、嘔吐を主訴に救急外来受診となった。入院後、ふらつきの原因が貧血と考えられ、原因精査を行なったところ、S状結腸癌が認められた。対処として完全な結腸閉鎖には至ってないことから、輸血と低残渣食の摂取を行いつつ術前検査が行われ、第24病日目に腹腔鏡補助下S状結腸切除術が施行された。その結果、病理組織学的所見ではmoderately differentiated adenocarcinoma(type 2、30×23mm、SS、ly1、v1、N0、pM0、pDM0、Stage II)であったが、術後第4病日目に縫合不全を発症し、横行結腸双孔式人工肛門造設術が施行されるも、再手術後の第12病日目に今度は誤嚥を認め、誤嚥造影検査にて術後の廃用性症候群による誤嚥障害と診断された。以後、経皮的内視鏡下胃瘻造設術施行は不可能と判断して、初回手術後第28病日目に左頸部より経皮経食道胃管挿入術(PTEG)を施行し経管栄養が行われた。しかし、PTEG施行10日後に吐血を来し、上部消化管内視鏡にてカテーテル刺入部食道粘膜からの出血を確認、高張ナトリウム-epinephrine局注により止血が行われ、PTEG施行第20病日目に療養型病院へ転院となったが、第32病日目に吐血および血圧低下を認め、救急外来にて搬送された。最終的には緊急内視鏡にて食道壁外性圧迫による狭窄とカテーテル刺入部の拍動性出血を認め、止血による対処が行われたが、患者は再入院13時間後に再出血してショックにて死亡となった。
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