臨床経験
Multidetector-row CTを利用した経皮内視鏡的胃瘻造設術の術前評価法 CT gastro-colonography法の検討
加藤 一哉
1
,
笹原 圭太
,
永瀬 厚
,
小野寺 一彦
,
稲場 勇平
,
谷口 雅彦
1ぴっぷクリニック外科
キーワード:
胃鏡法
,
胃造瘻術
,
術後合併症
,
術前診断
,
失血-外科
,
マルチスライスCT
,
気道内誤嚥
,
手術時間
,
腹部CT
Keyword:
Gastroscopy
,
Gastrostomy
,
Postoperative Complications
,
Blood Loss, Surgical
,
Respiratory Aspiration
,
Multidetector Computed Tomography
,
Operative Time
pp.66-72
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015060542
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経皮内視鏡的胃瘻増設術(PEG)に際し、通常の術前検査では腹腔内の位置関係の把握が困難な症例がある。それに対し、今回、16列multidetector row CT(MDCT)でmeglumine sodium amidotrizoateによる造影撮像を基に三次元像を構築するCT-gastrocolonography(CT-GC)法を新たに考案し、診断能と安全性を検討した。低栄養のためPEG適応と診断したが、通常の術前検査ではPEG施行の安全性が判定できなかった14例(男性8例、女性6例、平均85.4歳)をCT-GC検査の対象とした。その結果、全例でCT-GC法による術前評価を問題なく施行でき、腹腔内臓器の位置関係を明確に把握することができた。12例においては胃と横行結腸との位置関係に問題がないことが確認でき通常のPEGを施行した。残り2例では胃壁前壁と腹壁の間に横行結腸が介在していることが判明したため、laproscopic-assisted PEGを施行した。更に、CT-GC法で術後評価を行ったところ、PEG直後と7日目に臓器の損傷なくチューブが挿入できていることを確認でき、チューブ交換時の4ヵ月目にも臓器の損傷やチューブの移動も認めなかった。以上、通常の検査法ではPEGの安全性の判定が不能な症例に対して、CT-GC法は診断能が高く、安全な術前・術後評価方法であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015