発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009234143
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2006~2007年に経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG) を施行した21症例(平均年齢88.0歳)を対象に術前腹部CTについて検討した。基礎疾患は脳血管障害18例、循環器疾患14例、呼吸器疾患12例、その他3例で、PEG造設原因は嚥下障害15例、肺炎8例、摂食障害7例であった。胃内送気後のCT検査にて剣状突起から下方のスライスで胃前方に肝臓、横行結腸等の他臓器の存在の有無を確認し、更に内臓誤穿刺の可能性について評価を行い、肝臓や腸管等を認めなければPEG可能とした。その結果、19例は内臓誤穿刺の可能性は低いと判断され、PEGが施行された。全例PEG施行時に指サイン、透過光とも良好に認められ、内臓誤穿刺はなかった。2例は胃前方に肝臓、横行結腸を認めたため内臓誤穿刺の可能性が高く、PEGは施行不能と判断された。胃内送気後腹部CTは簡便で侵襲も少なく、PEG施行時と同じような状態の腹腔内情報の把握が可能で、有用と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009