発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009067968
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90歳女性。患者は脳梗塞後の後遺症および認知症の既往があった。今回、介護施設で誤嚥による発熱が生じ、経口摂取が困難となり胃瘻造設の目的で、著者らの施設へ紹介入院となった。入院翌日に経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が行なわれ、深夜に37.3℃の発熱を認めるもバイタルサインや腹部所見に異常は認められなかった。しかし、術翌日のCTでは胃瘻ボタンシャフト部の胃壁-腹壁間に間隙を、1スライス頭側で同部に腸管ガス像がみられ、大腸内視鏡では横行結腸内腔に胃瘻ボタンのシャフト部を認めた。横行結腸穿通の診断で他院へ搬送後、緊急手術が行われたが、上腹部正中切開にて腹腔内を検索したところ、局所に少量の腹水を認めたが便汁による汚染はなく、胃瘻ボタン除去後に横行結腸穿通部を一次縫合閉鎖し、胃瘻チューブとして尿道カテーテルを留置後に局所のドレナージを行って終了した。その結果、術後第8病日目より経管栄養が開始され、著者らの施設へ転院後は尿道カテーテルをBalloon G-Tubeに交換し、患者は退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008