肝胆膵領域における術前ストラテジー 総論
膵頭十二指腸切除術前に減黄処置は必要か
川井 学
1
,
山上 裕機
1和歌山県立医科大学 第2外科
キーワード:
黄疸
,
危険因子
,
手術創感染
,
膵臓腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
膵瘻
,
胆道腫瘍
,
胆嚢炎
,
腹部膿瘍
,
経皮経肝胆道ドレナージ
,
内視鏡的胆道ドレナージ
Keyword:
Cholecystitis
,
Biliary Tract Neoplasms
,
Jaundice
,
Pancreatic Fistula
,
Pancreatic Neoplasms
,
Risk Factors
,
Surgical Wound Infection
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Abdominal Abscess
pp.1227-1233
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015042064
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欧州における大規模ランダム化試験では,「膵頭十二指腸切除術前の胆道ドレナージはルーチンに行うべきではなく,できるだけ早期に手術すべき」と結論している.問題点は胆道ドレナージと術後合併症との関連性である.当教室の成績では,内瘻ドレナージが外瘻ドレナージに比較して胆管炎を合併する可能性が高く,術前胆管炎が術後合併症の危険因子であることが判明した.最近では,術前の胆道ドレナージとしてメタリックステントが使用されることもあるが,その意義を明らかにするには,さらなる臨床試験が必要である.
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