発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014230546
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70歳女。32歳時に子宮外妊娠で子宮部分切除・附属器切除、35歳時に膀胱癌で膀胱部分切除、子宮全摘を施行した。検診の腹部超音波検査で膵管の拡張を指摘された。膵臓には腫瘍などの異常は認めなかったが、腹部造影CTで骨盤内に径約3cm大の腫瘤を認めた。大腸内視鏡では、直腸S状部に粘膜下腫瘤様の隆起性病変を認めた。注腸造影では、直腸S状部右壁に約3cmの辺縁整な隆起性病変を認めた。腹部造影CTでは、直腸右側に連続する造影効果を伴う径約3cm大の腫瘤を認めた。骨盤造影MRIでは、直腸壁内に辺縁整で径28mm大の腫瘤を認めた。T1強調画像でやや低信号、T2強調画像で高信号を呈し、ガドリニウム造影では層状に強い造影効果がみられた。直腸に発生した粕膜下腫瘍の診断で手術を行った。病理組織学的所見により神経鞘腫と診断した。経過は良好で術後第13病目に退院した。術後9ヵ月経過した現在、再発の徴候は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014