発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010242779
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過去15年間に経験した大腸若年性ポリープ10症例について後方視的に検討した。年齢は3~13歳、男児8例、女児2例であった。症状は血便9例、腹痛5例、肛門からのポリープ脱出2例で、ポリープを先進部として腸重積を起こした症例が2例あった。1)ポリープは全例が、下行結腸から肛門側の腸管に存在しており、単発性で、内視鏡的肉眼分類はてIp型であった。2)術前診断できたのは2例で、血便の精査においては大腸内視鏡検査以外に超音波検査が有効であった。また、血液検査では全例に軽度の貧血が認められた。3)病悩期間は10日~3年で、診断・治療まで長期間を要した症例が多かった。4)ポリープ切除においては、直腸ポリープの肛門脱出例には経肛門的ポリープ切除が施行され、他の9例には内視鏡的切除が行われた。5)病理組織学的に全例がjuvenile polypと診断され、悪性所見を呈した症例はなかった。尚、経過観察期間は1~2週間が5例で、最長が2年3ヵ月であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010