手術手技
単孔式腹腔鏡下手術用ポートを用いて行った経肛門的直腸腫瘍切除
加藤 秀明
1
,
内田 恒之
,
澤田 幸一郎
,
平沼 知加志
,
渡邊 透
,
細川 治
1横浜栄共済病院 外科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
肛門部
,
直腸腫瘍
,
直腸切除
,
腺腫内癌
,
トロカール
,
単孔式内視鏡手術
Keyword:
Anal Canal
,
Colonoscopy
,
Surgical Instruments
,
Rectal Neoplasms
pp.640-643
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013325741
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60歳代男。経肛門的内視鏡で肛門縁から10cmの位置に、後壁から左壁を中心とする半周性の約3cm大のIsポリープを認め、組織生検は腺腫であった。径2cmを超える直腸Ra/bのIsポリープで悪性腫瘍の可能性が疑われ、更に下部消化管内視鏡では腫瘍が大きいために内視鏡的切除が困難なことが予想された。また、経肛門的な直視下の切除では、肛門縁から腫瘍までの距離が長く切除困難と判断した。そこで、単孔式腹腔鏡下手術用ポートを用いて経肛門的腫瘍切除術を施行した。手術に際しては体位はジャックナイフ位とし、ガス注入圧は5~10mmHgの流入圧で二酸化炭素ガスを注入して視野を確保した。腫瘍切除は軟性鏡と超音波凝固切開装置、把持鉗子を用いて行った。病理診断は腺腫内癌で、切除断端は陰性であった。術後経過は良好で、術後5日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013