発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013159081
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過去4年8ヵ月間に著者らが行った開腹歴のないイレウス手術80例(男性45例、女性35例、平均年齢66.0歳)について検討した。その結果、1)イレウスの原因が腫瘍であった割合は52.5%で、開腹歴のある手術例の19.8%と比べ有意に高かった。2)開腹歴のない症例をイレウスの原因が腫瘍であった42例(A群)と腫瘍以外であった38例(B群)に分け比較すると、小腸イレウスの割合はB群で89.5%と高く、大腸イレウスの割合はA群で92.5%と高かった。また術前診断率はA群76.2%、B群26.3%と、A群で有意に高かった。A群では閉塞部位は結腸癌が76.2%と最多で、次いで直腸癌14.3%、小腸癌4.8%、肛門腫瘍2.4%の順であった。一方、病期はStage IIが31.0%、Stage IIIaが21.4%、Stage IIIbが11.9%、Stage IVが16.7%、不明19.0%で、根治度はCurAが61.9%、CurBが7.1%、CurCが19.0%、不明11.9%であった。尚、B群では内ヘルニアや何らかの腹腔内の癒着が各21.1%と最多であったが、B群と開腹歴のある癒着性小腸イレウス81例との比較では発症から手術までの日数がB群で有意に短かった。
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