外科におけるcontroversy-誌上ディベート
幽門側胃切除後の再建法 Billroth I法かRoux-en Y法か? Roux-en Y法
布部 創也
1
,
井田 智
,
熊谷 厚志
,
大橋 学
,
比企 直樹
,
佐野 武
1がん研究会有明病院 消化器センター外科
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
Roux-en-Y吻合術
,
幽門
Keyword:
Anastomosis, Roux-en-Y
,
Gastrectomy
,
Pylorus
,
Stomach Neoplasms
pp.413-415
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017258587
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幽門側胃切除後の再建法であるBillroth I(B-I)法とRoux-en Y(RY)法に関して,RYの立場から記述した.RYは術後の逆流に強く,残胃炎,食道炎の少ない術式である.中上部の胃癌に対しては切除マージンのため残胃が小さくなるが,そのような症例に対しても対応可能である.今後増えてくるであろう,上部の胃癌,嚥下機能の低下した高齢者,腹圧の高い肥満症例などに適した術式であり汎用性の高さも大きな利点である.本術式を選択するうえでは十二指腸断端部の縫合不全を防ぐための埋没縫合,小腸間膜切開により形成されるY吻合部の間隙とPetersen孔による内ヘルニア予防のための非吸収糸による縫合閉鎖が肝要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017