発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012013953
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43歳女。腹部痛、嘔気の主訴に対し、CTで上腸間膜動脈(SMA)に解離が及んだ急性大動脈解離(DeBakey IIIb)と診断され緊急搬送された。炎症反応の上昇、軽度肝機能障害、アシドーシスを認め、造影CTでSMAは解離しSMAの末梢は造影されなかった。Sodium bicarbonateを投与したがアシドーシスを制御できず、腸管虚血を合併したDeBakey IIIb型急性大動脈解離の診断で緊急手術を行った。術中から持続的血液濾過透析(CHDF)を行い、腹部正中切開開腹し腸管に壊死は認めないが、小腸、結腸ともチアノーゼ様であった。左大腿部から採取した大伏在静脈をバイパスグラフトとして左外腸骨動脈からSMAにバイパスを行った。術後の3D-CTでバイパスの開存を認め、術後3日にCHDFを終了し、術後は腹痛やイレウス症状を認めず、術後59日に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011