発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011338683
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60歳女性。左腋窩、鎖骨上リンパ節腫大を主訴に近医を受診、リンパ節炎として抗生物質治療を受けるも効果が得られず、著者らの施設へ紹介となった。マンモグラフィでは両側乳房に異常所見はみられなかったが、乳房超音波では左腋窩と鎖骨上部にリンパ節腫大が認められた。また、胸腹部CTでは左腋窩、鎖骨上部にリンパ節腫大が確認されたが、他部位には異常はみられなかった。一方、左腋窩リンパ節生検にて潜在性乳癌が強く疑われたが、乳房MRIや骨シンチ、FDG-PET等で原発巣は確認されなかったことより局所進行潜在性乳癌と考え、ホルモン療法が開始された。だが、CTで肝転移が出現したため、weekly paclitaxelによる化学療法に移行、以後、肝転移は一時的に縮小したが再増大したため、FEC療法に変更し、孤立性脳転移に対しサイバーナイフ治療が施行された。その結果、最期まで乳房内には明らかな病変を認めらえれなかったものの、肝転移、骨転移、腹膜播種などが悪化し、患者は発症から2年3ヵ月目に死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011