特集 消化器ステンティングのすべて
消化器ステントの開発の歴史と今後の動向 素材の進歩を中心に
前谷 容
1
1東邦大学医療センター大橋病院 消化器内科
キーワード:
胃疾患
,
機器のデザイン
,
病的狭窄
,
大腸疾患
,
十二指腸疾患
,
消化器疾患
,
食道疾患
,
膵管
,
膵臓疾患
,
ステント
,
胆管疾患
,
自己拡張型金属ステント
Keyword:
Bile Duct Diseases
,
Digestive System Diseases
,
Duodenal Diseases
,
Stomach Diseases
,
Self Expandable Metallic Stents
,
Esophageal Diseases
,
Stents
,
Constriction, Pathologic
,
Pancreatic Diseases
,
Pancreatic Ducts
,
Equipment Design
pp.714-723
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019295496
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
ステントの主たる役割である狭窄治療を中心に、これまでの各臓器におけるステントの変遷について述べる。ステント留置術は低侵襲的であることから、これまでの姑息的手術に代わって広く普及し、特にSEMSの進歩に伴い、さらなる適応の拡大と有効性や安全性の向上が図られた。膵管を除いては、従来のプラスチックステントに代わりSEMSが主役となっている。ステントの編み方の改良、カバー装着、デリバリーの細径化などが図られ、SEMSの成績や安全性の向上が図られてきた。優れたSEMSの開発により容易かつ安全にステント留置が可能となり、どの臓器においても緩和手術と比較して優れた短期的成績が示されているが、一方で中長期的には時間経過とともにさまざまな偶発症が発生することが問題となっている。今後さらに、材質の改良やステントを用いた治療戦略の見直しも必要になる可能性がある。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.