膵頭十二指腸切除術(PD)をめぐる諸問題
肝動脈、上腸間膜動脈、門脈同時切除を伴う膵切除の工夫
高田 忠敬
1
,
天野 穂高
,
三浦 文彦
,
吉田 雅博
,
豊田 真之
,
和田 慶太
,
加藤 賢一郎
,
浅野 武秀
,
江口 智明
1帝京大学 形成外科
キーワード:
肝動脈
,
血管外科
,
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
脾動脈
,
門脈
,
上腸間膜動脈
Keyword:
Hepatic Artery
,
Pancreatectomy
,
Pancreatic Neoplasms
,
Portal Vein
,
Splenic Artery
,
Vascular Surgical Procedures
,
Mesenteric Artery, Superior
pp.935-940
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007337353
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2005年1月~2007年5月に、局所進行膵臓癌に対して肝動脈、上腸間膜動脈(SMA)合併切除を含む膵切除を15例に行った。切除した動脈(重複あり)は、肝動脈が11例(左右肝動脈を含む)、SMAが9例であった。手術直接死亡例は、肝動脈切除、門脈合併切除を行い、肝臓の完全血流遮断時間が120分となり、術後肝梗塞、肝不全となり死亡した1例であり、operative mortality rate 6.6%であった。15例での手術時間は696±143分、術中出血量は7,516±6,284mlであった。肝動脈切除再建による遮断時間は(n=11)、50.5±30.4分、SMA遮断時間は(n=9)、79.9±64.5分であった。肝動脈切除例における術後ASTの最高値は1,752±2,114IU/l、ALTは1,194±1,012IU/l、LDHは1,843±1,703IU/lであった。肝動脈切除を伴わないものでは、すなわちSMA切除例では、術後ASTの最高値は1,629±1,826IU/l、ALTは1,260±1,597IU/l、LDHは2,211±2,498IU/lであった。予後は、50%生存率は12ヵ月で、最高生存例は術後32ヵ月を過ぎている。
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