鏡視下手術 術中トラブル対処
食道亜全摘術
大杉 治司
1
,
李 栄柱
,
岸田 哲
1大阪市立大学 大学院消化器外科
キーワード:
胸腔鏡法
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
反回神経
,
腹腔鏡法
,
リンパ節郭清
Keyword:
Esophageal Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Laparoscopy
,
Recurrent Laryngeal Nerve
,
Thoracoscopy
,
Esophagectomy
pp.18-24
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011078905
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食道癌根治術は通常開胸下で行ってもリスクの高い手術である。これを胸腔鏡下で行うには縦隔解剖の理解と高い鏡視下手術の技術が必要である。術中トラブルは回避がもっとも重要である。このためには胸腔鏡手術は手段であって目的でないことを肝に銘じ、手術適応を遵守することが肝要である。拡大視野下で明らかとなる微細解剖に基づいて、解剖層に沿った剥離がもっとも安全である。癌浸潤のためにこの剥離層の保持が困難となった場合は胸腔鏡手術が遂行可能かもう一度評価する。重篤偶発症に際しては、まず出血のコントロール、換気確保などの生命維持に努め、複数の医師でビデオを確認し、偶発症の客観的評価を行う。
©Nankodo Co., Ltd., 2011