外科医が気を使う高齢者手術の周術期管理
高齢者肝細胞癌の周術期管理
石沢 武彰
1
,
長谷川 潔
,
國土 典宏
1東京大学 肝胆膵・人工臓器移植外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
麻酔
,
輸液療法
,
高齢者
,
治療成績
,
周術期管理
Keyword:
Anesthesia
,
Aged
,
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Treatment Outcome
,
Perioperative Care
pp.276-280
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010111517
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肝細胞癌(HCC)の切除について、高齢者特有の適応基準や周術期管理の方法が確立されているわけではない。肝機能に基づく切除許容範囲で根治手術が行われれば、高齢者に対するHCCの切除は安全に施行可能であり、非高齢者とほぼ同等の長期成績が期待できる。ただし、高齢者では冠動脈疾患や腎機能障害が高率に併存し、術前から貧血や低アルブミン血症を認めることも多い。慎重に耐術能を評価するとともに、術後の輸液管理に細心の注意を払うべきであることは論をまたない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010