進行肝細胞癌の治療戦略
進行肝細胞癌に対する外科治療の適応と成績
竹村 信行
1
,
長谷川 潔
,
國土 典宏
1東京大学 大学院医学系研究科臓器病態外科学肝胆膵外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝静脈
,
肝切除
,
胆管
,
門脈
,
流血中腫瘍細胞
,
治療成績
Keyword:
Bile Ducts
,
Hepatectomy
,
Hepatic Veins
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplastic Cells, Circulating
,
Portal Vein
,
Treatment Outcome
pp.1035-1041
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015304274
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進行肝細胞癌に対する治療法は限られており,予後は比較的不良である.唯一治癒の可能性がある治療が外科切除であり,肝切除の技術と安全性の向上とともに外科治療の適応も拡大されてきた.脈管侵襲を伴う肝細胞癌では,門脈本幹や対側の門脈まで伸展する腫瘍栓,下大静脈に達する静脈腫瘍栓,黄疸をきたす胆管腫瘍栓でも切除の適応となることがある.巨大肝細胞癌では切除適応となる腫瘍径の上限はなく,多発肝細胞癌では時に3個以上でも,破裂肝細胞癌や肝外転移に対しても切除を行うことがある.外科治療の適応の原則は,切除後に十分な肝機能と残肝容積が保たれることであり,適切な患者の選択により切除による長期予後が得られることがある.
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