発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010107238
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69歳女。両側肩甲下部の腫瘤と同部違和感を主訴とした。腫瘤は弾性硬で特に右側の腫瘤は可動性良好で、弾発現象を伴って肩甲骨下面の間隙に出入りしていた。胸部CTでは両側肩甲骨下に周辺の筋肉と同等の吸収値を呈する腫瘤を認め、内部には小胞状の低吸収域が散在していた。全身麻酔下に手術を行い、強い癒着を認めた周辺諸筋の筋膜や背側肋骨骨膜の一部とともに腫瘤を摘出した。病理組織学的に膠原線維に富む結合織の増生からなる腫瘍であり、ところどころ島状の脂肪組織の介在を認め、らせん状を呈する弾性線維が混在していたことから、背部弾性線維腫と診断した。術後は右側創下に漿液腫を生じたため一度穿刺排液したが、以後順調に経過し第18病日に退院した。
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