発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010107237
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39歳男。検診の腹部エコーにて膵体部に近接する低エコー像を認めた。CTでは周囲臓器を圧排し一部壁肥厚のある80×55×90mm大の境界明瞭な低吸収域の腫瘤として認め、腫瘤壁は造影効果を認めた。MRIではT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を呈し、内視鏡的逆行性胆道膵管造影では嚢胞性病変と膵管に交通は認めなかった。悪性疾患も疑われたが、腫瘤と膵との連続性は強固でなく腫瘤摘出術のみを施行した。病理組織学的に重層扁平上皮よりなる嚢胞壁を認め、上皮下はリンパ濾胞形成を伴うリンパ組織に囲まれ、膵リンパ上皮性嚢胞と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010