発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002052359
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60歳男.肩甲骨外転位で左肩甲下部腫瘤を認めたが,肩甲骨中間位では体表上触知しなかった.腫瘤は径10cmで,弾性硬,表面平滑で圧痛,自発痛はなく,外転位にする際に弾発現象を認めた.単純CTでは肩甲骨下部に胸郭に底を持つ半球状の腫瘤を認め,内部は筋肉とほぼ等吸収域で,索状の低吸収域が混在していた.MRIではT1強調像で中等度信号,内部は線状の高信号で,T2強調像では低信号と中等度信号が混在していた.手術所見で,腫瘤は広背筋の深部にあり,周囲の筋組織とは一部境界不明瞭であった.腫瘤の底部は肋骨骨膜や肋間筋と強く結合していたが,周囲の健常組織を含めて切除した.病理組織学的所見で,HE染色では細胞成分に乏しい線維性の結合組織が主体で,脂肪組織が介在していた.強拡大では棒状或いは顆粒状の好酸性線維を認めた.Elastica van Gieson染色では黒褐色に染色された.術後2年経過し,再発はない
©Nankodo Co., Ltd., 2001