投稿論文 短報
食道悪性腫瘍手術後、加湿高流量経鼻カニューレ療法が肺酸素化能に与える影響
尾堂 公彦
1
,
川越 いづみ
,
佐藤 大三
,
三高 千恵子
,
稲田 英一
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 麻酔科・ペインクリニック
キーワード:
開胸術
,
開腹術
,
酸素
,
酸素吸入療法
,
術後合併症
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
分散分析
,
無気肺
,
ランダム化比較試験
,
吸入気酸素濃度
,
酸素マスク
,
動脈血酸素分圧
Keyword:
Pulmonary Atelectasis
,
Analysis of Variance
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagectomy
,
Laparotomy
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Thoracotomy
,
Oxygen
,
Oxygen Inhalation Therapy
,
Postoperative Complications
pp.865-867
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020373428
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
食道がん術後における加湿高流量経鼻カニューレ療法(HFNC)と、ベンチュリマスク(VM)の肺酸素化能への影響を比較検討した。開胸開腹食道がん悪性腫瘍手術後患者24名をICU入室後、HFNC群12名とVM群12名に分類した。HFNC群はFiO2 0.45、流量50L/min、VM群は設定を60%、O2 6L/minとして酸素濃度計で44%であることを確認した。身長、体重、年齢、麻酔時間、手術時間、術中・術後輸液バランスで両群間に有意差はなかった。PaO2は2病日でHFNC群128±27mmHg、VM群96±11mmHgとHFNCで有意に高かったが、ほかは有意差がなかった。PaCO2、術後無気肺スコアでは両群間で有意差はみられなかった。開胸開腹食道悪性腫瘍手術後、2病日においてPaO2はHFNCがVMより有意に高く、術後の酸素化維持に役立つことが示唆された。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.