特集 消化管重複症のすべて
胃重複症の3例
八木 勇磨
1
,
新開 真人
,
川見 明央
,
奥村 一慶
,
都築 行広
,
臼井 秀仁
,
望月 響子
,
北河 徳彦
1神奈川県立こども医療センター 外科
キーワード:
超音波診断
,
腹腔鏡法
,
胃重複症
,
腹部CT
Keyword:
Ultrasonography
,
Laparoscopy
pp.930-933
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2022020958
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症例1は3歳男児で、検診の血尿を主訴とした。CTで胆囊と十二指腸に挟まれる3cm大の囊胞状腫瘤を認めた。消化管重複症を疑い、腹腔鏡手術を施行した。術中、胃前庭大彎側に胃壁と連続した腫瘤を認め、胃重複症と診断し、腫瘤を摘出した。症例2は6ヵ月女児で、腹部腫瘤を主訴とした。CTで右腹部を中心に肝直下から骨盤入口部直上を占拠する9cm大の腫瘤を認めた。消化管重複症を疑い、腹腔鏡手術を施行した。術中、胃前庭部~幽門部大彎側に胃壁と連続した腫瘤を認め、胃重複症と診断し、腫瘤を摘出した。症例3は1歳女児で、出生時からの消化管重複症を主訴とした。超音波や上部消化管造影で胃重複症と診断し、腹腔鏡手術を施行した。術中、胃大彎側に胃壁と連続した腫瘤を認め、腫瘤側の粘膜下層を維持することで胃壁を損傷することなく核出した。3例とも術後経過は良好で、術後1~4日に経口摂取を開始し、術後3~8日に軽快退院となった。
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