急性腹症の診断と治療
胃・小腸・大腸 絞扼性イレウス
堅野 国幸
1
,
山本 学
,
前田 佳彦
,
久光 和則
,
池田 正英
1鳥取大学 病態制御外科学
キーワード:
鑑別診断
,
超音波診断
,
腸閉塞
,
病歴聴取
,
腹部CT
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Intestinal Obstruction
,
Medical History Taking
,
Ultrasonography
pp.249-252
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009128812
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絞扼性イレウスは、腸管の血行障害を伴ったイレウスである。絞扼性イレウスは時間の経過とともに血行障害と腸管の壊死をきたし、時にエンドトキシン血症から多臓器不全へと注行するため、早期診断、治療が不可欠である。しかし、絞扼性イレウスは早期診断が困難なことも多く、初期対応の遅れから生命にかかわる重篤な病態に陥ることもあり、開腹適応をいかに早く決定しうるかが予後を左右する。理学的所見、各種検査から絞扼を察知し、迅速に手術をはじめとした加療を行うことが大切である。イレウス症例では、絞扼の可能性を念頭に、診断、治療、術後管理を通じて慎重な態度で臨むことが肝要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009