発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008236660
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穿孔性胃・十二指腸潰瘍70例を対象に、初期対応治療別に、開腹下大網充填術52例、保存治療14例、腹腔鏡下大網充填術4例の3群に分け、性別、年齢、既往歴、診断根拠となった画像検査、初診時WBC、CRP、体温、腹水の量・性状、穿孔部位、穿孔径、Helicobacter pyloriの存在、発症から主治療開始までの時間、入院期間、初期対応治療から経鼻胃管抜去までの期間、使用抗生物質と投与期間、主処置から水分開始までの期間、主処置から食事開始までの時間、主処置から上部消化管造影までの期間、主処置後から上部消化管内視鏡検査までの期間、術後合併症をレトロスペクティブに検討した。その結果、初期対応治療から経鼻胃管抜去までの期間が、腹腔鏡下大網充填術群で有意に短かった。その他の検討項目については、3群間で有意差を認めなかった。非侵襲性という面では保存治療が至適治療であるが、手術を行う場合は腹腔鏡下大網充填術が有用と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008